ドイツ研修旅行に参加して 廣田 美由紀
11月17日から27日までの10日、ドイツ、フライジングにてドイツ?フローリスト橋口学先生主催による、クリスマス花飾りコースの
レッスンに参加してきました。
あのヴァイエンシュテファンにて、レッスンを受けるということでドキドキ、ワクワクしながら飛行機に乗ること、約13時間。
くたくたになった私達を、橋口先生、ナイディガー先生達がウエルカムボードを手に出迎えて下さり、そのあたたかい笑顔と握手に
感動してしまいました。そして次に私達を待っていたものは、雪。なんとこの日にこれから滞在するフライジングに初雪が降ったそうです。「明日からもっと寒くなるよ!」と先生。もう十分寒いんですけど。と思ったのは私だけでしょうか?
2日目、ヴァイエンシュテファンにてナイディガー先生による、アドベント・クランツ、ゲシュテックの講習を受けました。アドベントとは、クリスマスを迎えるための4週間の準備期間のことで、緑の葉(常緑樹)で輪飾り(クランツ)をつくり、そのうえに4本のキャンドルを立てて、日曜日ごとに一本ずつ火を灯し、クリスマスを待ちます。キャンドル(光=生命の源)や使ってある植物にもそれぞれ意味があり、それを理解して作る事が大切だそうです。午後からは、キャンドルに合わせて花材を選び、実際に制作。時間に追われながらなんとか作り上げることができました。
3、4日目、ニュルンベルク、ミュンヘンにて花屋のアドベントの展示会を見学して回りました。
どこのお店もクリスマスの商品を求める人で賑わっていました。グリューワイン(クリスマスの時期に飲まれる暖かいワイン)やクッキーなどのお菓子がふるまわれ、それぞれにアドベントを楽しんでいる様子が伺えます。
また、お店によって作品や色使いに特徴があり、立地条件や客層によってお店の雰囲気が違う様でした。
5日目。橋口先生のお宅にて、ドイツ在住のベッカー(パン職人)村上洋子さんによるクリスマス菓子講習。シュトーレン、ヴァニレキプファル、ココスマクローネンを作りました。皆さん子供に戻ったみたいにこねこね、ぺたぺた。楽しい一日を過ごさせていただきました。もちろんお味もgoodでしたよ。
6日目。ミュンヘンの花店、ブルーメンエルスドルファーにて、実務体験!ひととおりお店を案内され、作業場へ。『この時期に売れるアドベントのシュトラウスを作ってください。』と言われても…。苦手な、苦手なシュトラウス。まして自分で花材を選んで作るなんて。と考えている間に、皆さんサッサと作業にはいってしまいました。
アドベント時期のシュトラウスは、生花はできるだけ使わないそうです(使っても少量)。4週間保たせないといけないこともあり、オーナメントやドライになってもいい枝物・実物を多用します。どうにか一つ目をつくり終え、2つ目も何回か作り直しながら、こんなんでいいかなあ。と最後の仕上げをしていたら、お店のシェフに『ちょっと待った!』と言われたかどうかわかりませんが、指摘を受けてしまいました。まず、素材の合わせ方はおもしろいが、シュトラウスの部分に対してステムが短すぎること。ステムがきれいにスパイラルになっていないこと。(シュトラウスの形がこわれてしまう)正直、へこみました。私は今まで何をやって来たんだろう…。もっと練習しないと…。
実際にお店では、制作したシュトラウスが商品として置かれ、お客様がお買い上げになりました。しかも、実際に手に取って、振ってみて、良くできているかどうか確かめてみるなんて、さすがドイツ人。
7日目、学校にてアドベントシュトラウス、室内装飾の授業。ポインセチアの鉢物を使ったシュトラウスを作りました。
冬のシュトラウスは基本的に水につけないでそのまま飾ることもあるので、ポインセチアの根元にモスを巻いてシュトラウスにします。花材もアドベントにあわせて…。そして、室内装飾。今まで休憩室として使っていた場所にクリスマスの飾りつけをしました。テーブルに置くゲシュテックを作る者、左右の棚に装飾をする者、空間(天井に)に装飾する者にわかれて制作しました。普通のレッスンではなかなか体験できないことで、大変楽しかった授業でした。
8日目、橋口先生によるアドベント講習。まず、わたされた板にアドベントオブジェを制作。続いてドアクランツを作りました。いつもながら、自分で考え、花材を選ぶのはとても苦手です。自分が何を表現したいのか、どうしたらこの植物をすばらしく美しく見せることができるのか、深く深く考えさせられる授業でした。
そして最終日。ミュンヘンのクリスマス市、クリスマスツリーの点灯式を見学し、バイエルン州歌劇場にてバレエを観劇しました。歴史ある建物の前にそびえたつクリスマスツリーに何万!もの電球が灯った瞬間は、忘れることが出来ません。ドイツの人達はこの日を境にアドベントに入りクリスマスを待ち望むことでしょう。
本場のクリスマスレッスンは、私にとって大変貴重なものとなりました。本物を見て触れて感じて体験することが大事だと実感しました。この感動を忘れずにいろんな事にチャレンジしていきたいと思います。
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